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【Angellir連載企画】体の中から始めるビューティ&ヘルス 第2回 身体のメカニズムに沿ったダイエット方法

最終更新日:2024年9月3日 | 公開日:2021年8月10日

現代人の食事は痩せにくい体を作っている!

コロナの影響などで外出自粛やリモートワークを余儀なくなれ、おうち時間が増えたことにより、ダイエットに成功した人、またはストレスで太ってしまったという人が続出しました。自宅でも外でも美味しい物が食べられる今の時代、人は体質的にも痩せにくくなってしまっているようです。
「昔の人は、食べなければすぐ痩せていきました。でも、今の人達は食べなくてもなかなか痩せられない。それは、普段の食生活に原因があります。食事は代謝を促すような物を食べるのが理想的ですが、現代の食事はその邪魔をするような化学物質を多く含んだ食べ物が多いんです。食べ物の中に食品添加物が多く入っているために、身体の中で分解できないんですね。あと、現代人が痩せられないもうひとつの原因は、日本人全体にいえる食の欧米化。油や脂質も多いし、手っ取り早く済ませるためのワンプレート形式ばかり。例えば、街に出て食事をしようと思っても、お米を食べられるところって少ないですよね。軽く何か食べたい時にはカフェに行くしかないし、カフェにお米はなくて、パンかパスタかハンバーガーみたいなものになってしまう。そういった炭水化物ばかりを食べていると体が酸性になってしまい、私は糖質を完全にシャットアウトすることはおすすめしてませんが、やっぱりある程度は糖質をカットしないと痩せることができなくなってしまってるんです」

キレイに痩せるには食べないだけではなく運動が必要

糖質の中でも、特に近年の小麦粉は遺伝子組み換えのものが使われていることが多いため、変性した遺伝子が腸壁にくっつきやすいのだそう。モチモチした食感を効果的に出せるようグルテンを操作された小麦には、注意が必要なのです。先ごろ一世を風靡したタピオカも同じく、炭水化物の塊に角砂糖20個分ほどの糖質を入れた飲み物なのだと知ると、なんだか怖くなってきます。
「美味しい物には糖質が多いんですよね。人は糖質を摂ることで脳の中にドーパミンという快感ホルモンが出ます。つまり、それを出したいから甘いものを欲しがるんです。人は、脳に支配されて糖質を摂ります。一方、腸は小麦粉も甘いものも大っ嫌い。そこで私は、脳を切り替えるためにも、痩せたい人にファスティングをすすめているんです」
まさに、目からウロコ。痩せたいと思うのであれば、気持ちを固めるよりも、脳を切り替えることのほうが確実なのかもしれません。
「そしてキレイに痩せるためには、食べないだけではなく、必ず運動が必要です。一度筋肉がつけば代謝が上がり、太りにくくなる。特に下半身の筋肉をつけたほうが痩せやすいので、ダイエットしたいという方には必ず簡単なエクササイズを3つくらいやってもらっているんです。私自身もパーソナルトレーニングに通っていますが、有酸素運動をしなくても筋肉をつけておけば代謝があがり、痩せると実感しています。特に35歳以上の女性はおへそから下に筋肉をつけることがとても大事。有酸素運動のほうが取り入れるのは簡単かと思われがちですが、例えばウォーキングなら一回40分を週に3日くらいやらないと効果は出ません。それでいて痩せ始めるまでに一か月くらいかかるので、そういう意味でも筋トレのほうが早く痩せられるんです」

自分の脂肪をエネルギーに変えさせる“ケトジェニックダイエット”

では、適度な運動を取り入れるとして、食事におけるカロリー制限はどのようにすればよいのでしょうか。そこで照井さんがおすすめするのが、しっかり食べながら、体重を増やさない方法である『ケトジェニックダイエット(ケトン体ダイエット)』です。
ケトジェニックダイエットは、完全な糖質オフをする方法では食事内容を元に戻した途端にリバウンドする確率が高いため、糖質を一日60グラムくらい摂り、それ以外に必要なエネルギーを体内の脂肪から使うよう身体を変えていく食事法。摂取する糖質の量が減ると、体脂肪の分解が促され、肝臓で“ケトン体”と呼ばれる物質が作られます。このケトン体をエネルギー源として利用するため、じつに効率よく痩せられるといいます。
「糖を摂らずに脂肪をエネルギ―源としていく代わりに、たんぱく質をしっかり摂って、野菜をその3倍くらい食べるんです。有名なダイエットジムでは野菜でもにんじんやごぼうなどの根菜はNG、トマトなどの果菜もNGとされていますが、私は健康的に痩せるためには食物繊維やビタミンも必要なので、野菜なら何を食べても構わないと思っています。フルーツも、甘すぎない柑橘系などならOK。あまり深刻になりすぎず、食べてみて“これは甘いな”と思うものは避けるくらいで大丈夫」
身体を少しずつケトジェニックに変えていく方法なので、急激に結果が出るわけではありませんが、これこそまさに“太りにくい体”への近道といえるでしょう。

ダイエットで気をつけること

そして照井さんは最近の女性の、栄養の摂り方における傾向をこう指摘します。
「最近の女性は、たんぱく質が不足しています。糖質でお腹いっぱいにして、たんぱく質を摂っていないので痩せにくくなってしまう。女性は、ちゃんと鉄分や亜鉛といった有用な栄養素を摂るべきなんです。例えば、皮を取り除いた鶏の胸肉。鶏の皮は炎症反応を促進するので、調子が悪い時に食べたりすると悪化する傾向もありますし、脂質も高いので基本的に女性は避けたほうがいいかもしれません。でも、低脂肪高たんぱく質で、非常にダイエットに適した食材といえます。あと、豆類は種類にもよりますが、健康な人にはナッツがおすすめ。食べ過ぎは脂質の摂りすぎになりますが、消化に時間がかかるため小腹が空いた時によく噛んで食べるといいですね」
リンゴ、ゆでたまごなど単品ダイエットも数年に一回のペースで流行るけれど、そういった極端な食事制限はすべてリバウンドの元。どんなダイエットであれ、その行為にどんな意味があり、どんな効果があるのかをきちんと調べることが大切なんだとか。
「一日にリンゴとさつまいもだけで5日間とか色々流行りますけど、つまりは極力食べるものをなくすという意味ではファスティングと同じ。効果でいえば内蔵をキレイにするファスティングよりだいぶダイエット力は落ちますが、普段の食べ過ぎを押さえるという部分では良い面もあるでしょう。ただ、急いで減量したい人にはいいかもしれませんが、偏った食事は栄養不足になるので、長い期間はおすすめしません。しかも、リンゴとさつまいもだけで5日間過ごして減量できても、普通の食事に戻した瞬間に体重は戻ります。せっかく頑張ったのに栄養バランスと身体のサイクルを崩しただけで終わり、ダイエットにも失敗するのはすごくもったいないことだと気づいてほしいですね」

意外と知らない、ゼロカロリーの罠と睡眠の重要性

では、多くの人が甘いものを我慢する時に手を伸ばしている、ゼロカロリーの清涼飲料水などはどうなのでしょうか? カロリーがないならいくら飲んでもOKだと思ってる人もきっと多いはずです。
「じつは、ゼロカロリー系のドリンクは、ダイエットしたい人には不向きなんです。ゼロカロリーの甘味料は確かに血糖値も上がりません。だけど、甘い味がする=膵臓がインシュリンを出してしまうんです。血糖値は上がらないのにインシュリンが出てしまうと、低血糖になる恐れがあります。その結果、お腹が空いて空いてたまらなくなってしまい、何かを食べなくてはという気持ちになる。つまり、ゼロカロリーを飲めば飲むほど、食欲が抑えられなくなってしまうんですよね。もともと人工甘味料は身体によくありませんし、ダイエットの邪魔をしようとする飲み物であるといえます」
甘い物を控えるために飲んだのに、むしろ食欲がわいてしまうというゼロカロリーの罠。この悪循環にハマらないよう注意しましょう!
やはりダイエットには、適度な運動と食事の見直しが大切。野菜中心の食事が難しい場合はサプリなども服用し、栄養バランスを考えたダイエットを心がけ、自分の外側ではなく内側から変えていくような意識で取り組むのがベストなのです。

食欲を抑えるコツ

最後に、ダイエットをする上でもっとも重要であることと、食欲を抑えるコツを聞いてみました。
「ダイエットしたいなら、睡眠がとにかく重要。時間帯でいえばゴールデンタイムに寝るのが理想ですけど、現代に生きてる誰が10時に寝れるの? という話ですよね。でも、せめてその日のうちの12時までには寝ましょう。私自身、毎日のように筋トレをし、食べるものにも気をつけていたのに、まったく痩せなかった経験があったんです。私の考えている通りにすべてやっているのに、なんで痩せないんだろう? と。なんと原因は、睡眠だったんです。家事をやって仕事やって、韓流ドラマも見たくて。睡眠時間を削るしかなくて、忙しい時は一日2時間くらいしか寝てなかったんですね。それをやめて6時間眠るようになったら、嘘みたいに一気に痩せ始めたんです。ダイエットしたい人は、人間が寝ている間に行う代謝やカロリー消費を上手に使いましょう。そしてダイエットで一番辛いのが、空腹との闘い。食欲を抑えたい時は、逆に少し体を動かすことで自分をリフレッシュさせてみたり、アロマなどで気分転換するのがおすすめです。特にミント系の香りは食欲を抑えてくれるので、ミントティーを飲んだり、ミント系の歯磨き粉で歯磨きをするのも効果的です。ダイエットは、ただひたすら我慢するのではなく、気持ちをシャキッとさせて明るい気持ちになるよう工夫をすることが大切です」

照井理奈(てるいりな)
美セルフケアコンシェルジュ協会 代表理事
和心統合医療協会 理事
新医学研究会 理事
ホリスティックサロン ユリシズボーテ主宰
合同会社リノン・スタイル 代表
2人の子供のアトピー性皮膚炎を自力で克服した経験から、食の大切さを痛感する。その後、ファスティングインストラクター、臨床分子栄養医学認定カウンセラー、生活習慣病予防指導士、分子整合栄養学、分子栄養学ダイエット、マクロビオティック、ベジマイスターなど多くの食分野を学ぶ。また、ダイエットを通してリンパや東洋医学の経絡を学び、耳ツボや顔ツボで自律神経の調律や身体の巡り改善、小顔リフトUPの指導者となる。最近では妊活が必要な方が多いことから妊活マイスターとして食や生活のアドバイスも行う。現在は、『3日食べなきゃ7割治る』等のベストセラージャーナリスト船瀬俊介氏が理事を務める「1DAYファスティング講座」の講座監修とメイン講師も務める他、白川太郎先生の『私は末期がんでも治します』や篠浦伸禎先生の著書『脳にいい5つの習慣』に取材協力として参加。主宰のサロンでは主にロシアの波動測定器メタトロンを使用し心身魂のバランスをチェックしながら不調や未病ケアの食や生活改善、病中病後の食事療法、妊活、ファスティングなどの個人セッションを行う。指導講座には『ファスティング講座』『腸!健康講座』『麹・味噌作り講座』『デトックス講座』『九星氣学&食とライフスタイル講座』『顔ツボリフレセラピスト養成講座』『瞑想と波動の整え方』など。

イラスト/和全 取材・原稿/川上きくえ

 

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