【Angellir連載企画】美ボディ・リンパストレッチ 第4回 むくみ知らずのキレイな脚に
最終更新日:2024年9月3日 | 公開日:2021年7月15日
目次
第二の心臓「ふくらはぎ」が重要!
足のむくみを改善する上で、とくに重要な部分は、第二の心臓と呼ばれる「ふくらはぎ」。なぜ、ふくらはぎが第二の心臓と呼ばれるのかというと、ふくらはぎの筋肉は心臓のように縮んだり膨らんだりして、下半身の血液やリンパを流すポンプの役割を果たすことからです。
長時間、同じ姿勢をしていると、ふくらはぎを動かすことが少なくなり、このポンプ作用が働かなくなってしまいます。そして血流が悪くなって足が冷えたり、リンパの流れが悪くなってむくみが生じたりするのです。
また、このポンプ作用は栄養を全身に運ぶ力はありますが、老廃物や余分な水分を回収して戻ってくる力は弱いため、ストレッチで補佐する必要があります。足は全身のなかでも、心臓から遠く体の下部に位置するため、一番むくみやすい部分でもあります。ふくらはぎは、第二の心臓とも呼ばれる大切な部分。しっかりケアすることで、疲れにくく、むくみにくい美脚を目指しましょう!
足のむくみは「アキレス腱」をチェックする
「自分の足がむくんでいるか?いないか?」とチェックする指標として、最も分かりやすいパーツが「アキレス腱」と、永井先生。本来、かかとのアキレス腱の横にはくぼみがあり、人差し指一本分のスペースがあるのが理想です。むくみが強い時は、このくぼみが埋まってしまい、アキレス腱が見えない状態になります。
この状態をそのままにしておくことで、老廃物が足首にどんどん溜まってしまいます。キュッと細い足首を手に入れるためにも、日々のチェックがとても大切になってきます。
むくみ改善に有効なリンパ筋「膝窩リンパ節」
「膝の裏には、むくみ改善するのにとても優秀な働きをするリンパ節がある」と永井先生に教えてもらいました。それは「膝窩リンパ節」――免疫機能、浄化機能、老廃物や余分な水分の回収において、とても重要なリンパ節です。膝窩リンパ節の周りには、ふくらはぎや太ももの筋肉が通っています。
とくに、接している太ももの筋肉はとてもしっかりしていて、人間の筋肉のなかでも一番強い筋力を持ち、代謝にも深く関係しています。そこで、太もも全体(前側、後ろ側、内側、外側)の動きをスムーズにすることで、足全体の代謝が改善され、スッキリとした美脚を育んでいけるのです。
【足のむくみ改善「簡単ポーズ×15秒」美脚リンパストレッチ】
ストレッチ1)ふくらはぎ、アキレス腱を伸ばす
<POINT筋肉>
- 下腿三頭筋…ふくらはぎの部分。腓腹筋とヒラメ筋の2つの筋肉があり、まとめて下腿三頭筋と呼びます。
- ①腰を手にあて、まっすぐ背筋を伸ばした姿勢で立ちます。
- ②胸を張ったまま、足を前後に大きく開きます。
- ③後ろ足のかかとを浮かせないように、前足に体重を乗せます。
- ④15秒キープします。
- *お尻を引き上げるような感覚で行うと効果的です。
- *つま先よりも前に膝が出ると、膝を痛めやすいため注意しましょう。
- *左足、右足と同様に行ってください。
ストレッチ2)ふくらはぎと太ももの裏足面全体を伸ばす
<POINT筋肉>
- 大腿二頭筋…太ももの裏にある筋肉。膝を曲げる時、股関節を伸ばす時に使われます。走る、ジャンプなどの動作に使われることが多い筋肉です。
- 半腱様筋、半膜様筋…膝を曲げる時、股関節を伸ばす時に使われます。
- 大内転筋…ももの内側の筋肉で股関節を引き締める時、曲げる時に使われます。
- 腓腹筋…ふくらはぎの筋肉。かかとを上げる動きをサポートします。
- ①床に座り、片方の足はまっすぐ伸ばし、もう片方の足は膝を曲げます。
- ②背筋を伸ばして、つま先を両手でつかみます。
- ③②のまま、つま先を引っ張りながら上体を倒していきます。
- ④15秒キープします。
- *腰を曲げすぎたり、猫背になると、効果が半減するので注意しましょう。
- *左足、右足、同様に行ってください。
ストレッチ3)すねを伸ばす
<POINT筋肉>
- 前脛骨筋…すねの前に付いていて、つま先を上げる筋肉です。「弁慶の泣きどころ」と呼ばれる部分です。
- ①両足を軽くひらいて、まっすぐ立ちます。
- ②つま先を丸めて、足の甲を床につける感覚で、徐々に体重をかけます。この際、真下ではなく、やや斜めに体重をかけてください。
- ③15秒キープします。
- *反動をつけて行うと、足首を痛めてしまうため注意をしましょう。
- *ゆっくりと行いましょう。
- *左足、右足、同様に行ってください。
ストレッチ4)すね、足首を伸ばす
<POINT筋肉>
- 前脛骨筋…すねの前に付いていて、つま先を上げる筋肉です。「弁慶の泣きどころ」と呼ばれる部分です。
- ①正座をして、つま先を伸ばし、足の甲を床につけます。
- ②片方の膝を両手で持ち、ゆっくりと持ち上げます。
- ③15秒キープします。
- *腕の力を使って持ち上げるのではなく、体の重心を少し後ろにずらすような感覚で、体の力を使って持ち上げてください。
- *上体は床と垂直に保ち、足の甲が動かないように行うと効果的です。
ストレッチ5)太ももの内側を伸ばす
<POINT筋肉>
- 大内転筋…太ももを内側に寄せる筋肉。
- 長内転筋…太ももを内側に寄せる筋肉で、股関節の曲げる動きをサポート。
- 薄筋…膝を曲げ、股関節の動きをサポート。
- ①あおむけに寝る姿勢をとります。
- ②股関節を90度に曲げ、そのまま外側に開きます。
- ③15秒キープします。
- *姿勢をまっすぐに保ち、腰を反らないように注意してください。
- *うまく伸びない場合は、膝の内側から軽く手を当てて少し斜め上に押してください。
- *左足、右足と同様に行ってください。
ストレッチ6)太ももの前面を伸ばす
<POINT筋肉>
- 大腿四頭筋…太ももの前側にあり、膝を伸ばす筋肉。
- 縫工筋…体の中で最も長い筋肉で、股関節と膝の曲げる動きをサポート。
- ①横向きに寝て、下になる腕を肩の横にまっすぐ広げます。
- ②上になる膝を曲げて、上になる手で足の甲あたりをつかみます。
- ③②のまま、かかとをお尻につけます。
- ④15秒キープします。
- *姿勢をまっすぐに保ち、腰を反らないように注意してください。
- *あまり伸びを感じない場合は、膝を後ろに動かしながら行ってください。
- *左足、右足と同様に行ってください。
ストレッチを行う時の注意点
一回で効果があまり感じられない場合は、15秒のストレッチを「複数回」行うようにしましょう。一回のストレッチを長時間行うと、伸ばしている間は、その筋肉への血流は低下しているため、逆に筋肉の緊張を高める危険があります。
足のむくみの原因は日常生活の過ごし方にあり
足がむくむ原因は、日常生活の過ごし方に隠されています。以下のような過ごし方をしていないか、あなたの生活習慣をチェックしましょう。今のあなたは、どれに当てはまりますか。
- □デスクワークで座りっぱなしが多い
- □立ちっぱなし、歩きっぱなしが多い
- □一日中ヒールを履いていることが多い
- □運動不足と感じる。
- □夜更かし、寝不足するとこが多い。
あたなのチェックリストの結果はいかがでしたか? それぞれの結果で、身体の状態がわかります。まず、デスクワークで座りっぱなしにチェックした方は、血行の悪化している可能性があります。次に立ちっぱなし、歩きっぱなしに該当した方は、筋肉疲労が。一日中ヒールを履いているは、ふくらはぎが緊張状態にあるかもしれません。運動不足は、血行不良、リンパの滞りが。夜更かし、寝不足は、代謝の低下で太りやすくなる場合もあります。
このほか、体の使い方だけでなく、心に与えられるストレスも、むくみの原因になります。日常生活にストレッチを取り入れ、心身のバランスを整えることが大切だと、永井先生は言います。体を動かすことによって、もやもやとしたストレスも一緒にスッキリさせましょう。
続けることで美脚効果が高まるリンパストレッチ
「むくみの原因となる日常生活の過ごし方」のチェック項目に該当される方は、持続的な筋肉の緊張状態にあります。この状態では筋肉の動きはぎこちなくなり、リンパの流れも悪くなります。
さらに硬い状態が進行してしまうと、痛みが出る場合もあると、永井先生。その理由は、持続的な筋収縮により、痛み物質であるブラジキニン血中濃度を上昇させるからです。
血流も悪く、老廃物を回収するリンパの流れも悪くなると、筋肉が硬くなり、関節の可動域も小さくなります。筋肉が硬くなると、体には不都合なことが多く起こります。そんな「体の不自然な緊張状態」からのターニングポイントになるのが、日々の持続的なストレッチです。 ストレッチには、筋肉の緊張を抑える作用があります。毎晩、ストレッチで筋肉の緊張をリセットすることで、その日滞った血液やリンパの流れが改善されます。足の疲れが和らぎ、代謝が促され、睡眠の質が高まります。ストレッチはまるで、心身への「思いやり」のひと時。毎日習慣化し、朝スッキリ目覚めて、スッキリ美脚で颯爽と歩きましょう。
永井 政道(ながい まさみち)
銀座臨床医学研究所所長。銀座マロニエ通り院長。書籍リンパサイズを出版し、トレーナー経験を経て、リンパサイズインストラクター、メディカルスポーツの分野にも精通している。総本山永平寺で修行し、その後医療の道に進み、さらに健康と禅の心を伝えている。
イラスト/和全 撮影/松本裕之 取材・原稿/竹中章恵
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