【Angellir連載企画】心美人になるための幸福学 第5回 全部自分でやらなくていい! 足りない部分は助け合う♡
最終更新日:2024年9月3日 | 公開日:2021年8月20日
目次
あなたがやることで人の強みや才能を奪っている
ついつい「自分さえがまんすれば」と、人の分までやってしまう方は、他人の才能や強みを奪っているかもしれません。「しんどいな」「時間がかかるな」と思う案件は、あなたに合ってないかもしれません。
むしろ、「他の人が才能や強みを発揮できるステージを、自分が手伝っているんだと思えばいいんです」と岡本さんは、時に、自分が得意ではないことを無理矢理やるより、得意な人におまかせをする、ということをオススメします。なにもしないのではなく、あくまでもサポートに回っていると捉え直すことで、「がまん」から自分を解放してあげられるのです。
幸福学では「がまん」は幸せの妨げと考えられています。裏方として力を脱き、主役を立てることで「幸せ」に導かれるのです。
苦手を助けてもらうとWINWINの関係が築ける
絵を描くことが苦手な岡本さんは、周りの絵が得意な人に絵を頼んで資料をつくっているそうです。苦手をフォローしてもらうことで、人に伝わりやすくなりますよね。同時に岡本さんは、「絵を描いてくれた人はこんな人だよ」と、その人の強みや才能を、周りに知ってもらう機会をつくっています。自分にとって相手は「苦手への救世主」、相手にとって自分は、「特技の宣伝部長」になり、お互いWINWINの関係を築いているのです。
それでも、どうしても、人に助けてもらうことへ、「悪いんじゃないかな」と感じたり、手を借りることが「ズルいんじゃないかな」と思ったり、どうしても罪悪感を覚えてしまう方が多いようです。ですが、実際は持ちつ持たれつというのが世の中というもの。
「互いを活かし合っている」と「支え合う味方」だと知ることが重要だと、岡本さんは言います。「悪いこと」をして、「ズルいこと」をして、嫌われたらどうしようと思う必要はありません。助けてくれる人は、あなたの「味方」なんですから。やってもらったら「ありがとう」と感謝して、次に相手を支えられるシーンで、自分を活かして相手の味方になればいいのです。
苦手は得意の裏返し! 苦手をもっと知る
「苦手をダメ」だと、自責する方が多いようですが、苦手は本当にダメなのでしょうか。
「苦手の先には得意あり」と岡本さんは、苦手を見つけることで、その人その人の「得意」や「強み」を見つけられると教えてくれます。
例えば、岡本さんは地図を見るのが苦手。無理に地図を見て行こうとしても、目的地に到着せず、時間ばかり過ぎることが多いとのこと。そのおかげで岡本さんは、「人に道を聞く達人」になりました。何度も道に迷うことで、「この人なら親切に教えてくれる安全な人」と、雰囲気で読み取ることができ、コミュニケーション能力も磨かれていきました。
自分に足りない苦手な部分に、「目を背けず」「冷静に見る」ことが大事。良い・悪いと判断せずに、「自分を知る」材料にして、「特技」や「強み」へ進化させていきましょう。
「人の役に立ちたい」それが多くの人の望み
「災害の多い日本は、「ほとんどの人が『人の役に立ちたい』と思っていて、だれかれともなく助けるという根強い精神が宿っています」と岡本さんは言います。だからこそ、「人に迷惑をかけたくない」と思う人が多いのかもしれません。
ですが、誰かに助けてもらうことで、助けた人の「人の役に立ちたい」という思いを満足させてあげられます。また、「人の役に立ちたい」という気持は素晴らしいですが、自分を犠牲にしてまで、過度にやるのは危険です。自分自身のバランスを取りながら、できる範囲でやりましょう。自己犠牲に陥りやすい方はとくに、「人の役に立ちたい」という優しい日本人の心を、自分自身に向けてあげることが、心身を幸せに整えるポイントです。
「人に助けてもらっていい」「助けてもらうことで誰かの役に立つ」と、自分に言ってあげてください。相手のことも、自分のことも、犠牲にしない意識が、自他共の状況を平和にします。
プライドは捨てて! 相手を信頼
「助けてもらいたい」という気持ちを邪魔するのは「いらぬプライド」と、実際に職場の問題を幸せに導く、企業研修を多くこなす岡本さんからの鋭い指摘。
ついつい、「自分ひとりで片付けられる」「自分がやったほうが間違いもない」と、断ってしまう方は要注意です。スキルアップしたい方こそプライドは捨て、相手を信頼して「まかせてみる」選択をしてはいかがでしょうか。その分、新たなチャレンジへの時間の余裕も生まれます。
そう、「やってもらおう」と決めたからこそ、他に、「やってみたい」という自分の本音を知ることができる機会にも出会えるのです。岡本さんいわく、「自分を知ることは幸福学の基本」。
もっと、自分も相手も幸せにしたいなら、両者が活躍できるシーンを見つけ合い、それぞれを「知る」ことです。
人の話にも自分の話にも耳を傾ける
互いを助け合える「信頼関係」を築くのにはどうしたらいいでしょうか。その秘訣は、「相手の話に耳を傾けること」だと、岡本さんは言います。 普段から、「人の話を聞く」と意識してみましょう。あわせて、周囲のなにげない会話へ「聞き耳を立てる」ことにもフォーカスしてみてください。ただ、だまって話を聞いてもらえるだけで、聞いてくれる人へ信頼感が生まれ、信頼関係が深まるそうです。また、相手のことを知ることができますよね。
同じように、自分の話にも耳を傾けてあげましょう。「残業が続いて疲れている」「どうしても資料の一部がつくれない」など、自分とミーティングする時間をもって、今、抱えている「足りない」を認識しておくことで、助け舟が入ってきやすくなりますよ。そうして、成功体験を積むうちに、「自己信頼」もついてきます。
今日一日の耳に届いた言葉を集めましょう
ここで岡本さんより、毎日できるワークのご提案です。一日の終わりに、手帳やノートを開いて、今日あなたの耳に届いた言葉を集めて書き出してみてください。
- 1)あなた以外の相手から聞こえてきた印象に残った言葉。
- 2)あなた自身から自分に対して聞こえてきた印象に残った言葉。
相手と自分の得意・不得意や持ち味を知るのに、とても有効です。あなたの心がざわっとする言葉、例えば「だらしない人」「高圧的な人」などが浮かんできたら、過去の出来事から相手に貼ったレッテルが、変化するかもしれません。例えば、「だらしない人→大らかな人」「高圧的な人→戦ってくれる人」という風に。
また、あなたが相手を「だらしない」と感じるなら、相手にあなたが「整理整頓」のサポートができるかもしれないし、「高圧的」と感じているなら、「癒し」を提供できるかもしれません。互いのポイントを書き出しておくことで、いざという時、軽やかに助け合える関係を築けることでしょう。
ひとりでは補えない部分を手伝ってもらう意識が幸せを呼ぶ
「人間関係だけでなく、日常生活の家事や体調管理などの様々なシーンにおいても、自分ひとりでがんばらなくていい」と、日々ウェルビーイングを実践する岡本さんは言います。
なぜなら、「がまんは幸せを妨げるもの」というのがウェルビーイングの基本。家電で、掃除や洗濯、食後の片付けを補ったり、アプリで運行量や体重の管理を補ったり、着心地のいい素材の下着でボディケアを補ったり、ひとりで補えない部分へのサポートになるツールを、自分の「味方」につけることで、幸せな時間が増えていきます。
「女性の『味方』になりたいというシーオーメディカルさんの会社全体の思いをお聞きし、自分では補えない部分を手伝ってもらう意識でつけています」と、岡本さんは、ナイトブラにボディケアをサポートしてもらっています。
「自分が幸せで在る」ためにも、一人で難しいことは専門分野へ頼るほうが、心身も満たされます。それは人間関係も同じこと。得意分野は得意な人にまかせて、互いの魅力を引き出しあう「味方」として、タッグを組んでいきましょう。
恥ずかしからず、プライドを捨てて「お願いできますか?」「サポートしてもらえるとうれしいです」など、言いやすい言葉で、まずは素直に助けをお願いしてみましょう。嫌な顔をされると思いきや、「いつもありがとうね」「こんなにやってくれていたの」と、労いの言葉がかえってくることでしょう。
「悪いな」という罪悪感を捨てて、互いを活かし合う気持ちで伝えてみてください。そしてサポートしてくれた人には笑顔で「ありがとう」を忘れずに。
岡本直子…オフィス・スリール代表。ウェルビーイングライフ&ワークコンサルタント。ウェルビーイングダイアログパートナー。慶応大学院システムデザインマネジメント学科ヒューマンラボ研究員。(社)ウェルビーイングデザイン。ウェルビーイング女子大学(コミュニティー)主宰。ウェルビーイングの研究及び実践家。一人でも多くの人がその人らしさを発見し、繋がりを大切に、愛と希望に溢れた日々を過ごせるように活躍中。「わたし時手帖」(KADOKAWA)を監修し、「カラダこころ整うラボ」で、心身が整う情報発信中。
*岡本直子HP…https://www.office-lesourire.com/
*カラダこころ整うラボHP…https://www.karakorolabo.com/
イラスト/和全 取材・原稿/竹中章恵
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