【Angellir連載企画】マインドフルクッキング 第1回 マインドフルな料理と食事
最終更新日:2024年9月3日 | 公開日:2021年7月5日
目次
マインドフルネスとは? 「今この瞬間に優しく注意を向けること」
今や耳慣れた「マインドフルネス」という言葉。いろいろな表現の仕方がありますが、デミさんは「今ここ、この瞬間、どんなこともジャッジしないでそのまま見る。優しく注意を向けること」と言います。
過去を後悔したり、未来を不安に思ったりする自分をジャッジせずに、「こんな私がいるな。よしよし」と、そのまま見て、優しく注意を向け続ける、これは「思いやりのプラクティス」。この際、「今ここ」の「呼吸」に注意を戻すのがポイントです。
五感すべてを使う「マインドフルクッキング+セブンルール」
「マインドフルクッキング」をデミさんが皆様におすすめする理由は、「料理をすることは、五感をすべて使い、瞬間、瞬間を味わえるマインドフルな営み」だから。「料理」といういつもの時間が、自然とマインドフルな時間へと誘われるように、7つのルールをデミさんはつくりました。実践することで、「料理=瞑想」に変わることを実感していただけるはずです。
<マインドフルクッキングのセブンルール>
- 1)お料理の場を整える。
- 2)深く深呼吸をし、自分の体の感覚を味わう。
- 3)料理をすることができる自分の存在をいたわる。
- 4)食材と出逢い、対話を楽しむ。
- 5)食べる人のことを想いつくる。
- 6)お料理をする一瞬一瞬を味わい楽しむ。
- 7)愛を込めて、今お料理できていることに感謝し、「いただきます」と心で唱える。
無意識にしていた料理を、7つの工程をもとに、やってみましょう。
セブンルール1)お料理の場を整える
ここからはセブンルールを一つ一つ、ご紹介していきます。まず、デミさんはキッチンだけでなく、自分を包むすべての環境を、デミカフェの掃除婦になったつもりで整え、空気の入れ替えをします。新鮮な空気で場をクリアにすると、心が落ち着き自分自身も良好な状態に。
でも、はじめから全部屋を整えるなんて難しいですよね。重要なのは、「自分が心地良い状態」を目指すこと。まずは、キッチンから始めましょう。やれることからの小さなスタートが、楽しくトライできるポイント。また、お料理の場が心地良く調う呪文を教えてもらいました。その呪文は、「し・あ・わ・せ」。理由は、次に説明しますね。
セブンルール2)深く深呼吸をし、自分の体の体感を味わう
この際、あるヨガの「BFWA」という方法が、有効だとデミさんは言います。それは瞬間的に瞑想をする方法。その方法とは深呼吸と共に、
- □B=Bless…しずかに呼吸を意識します。
- □F=Feel…あなたの今の体を感じましょう。
- □W=Watch…私の内側をただ見つめます。
- □A=Allow…セルフコンパッション=今起きていることを許します。
しずかの「し」、あなたの「あ」、私の「わ」、セルフコンパッションの「せ」を合わせて、「しあわせ」となるようにデミさんは訳し、場や心を整える呪文にしています。
さあ、目を瞑って、「しあわせ」と唱えてから、BFWAを意識して、深呼吸を。この時に、胸に手を置く、スージングタッチも加えましょう。
スーズとは「慰める」という意味。自分に対して優しくなれる行為。「しずかに〜自分を〜感じて〜ゆるす〜」と言いながら胸に手を当て、呼吸をしながら体を感じてあげてください。
セブンルール3)料理をすることができる自分の存在をいたわる
今日ここで料理をつくろうとしていることは、「ありがたい」こと。この、『ありがたい=有難い』と書くように、「例えば、手をケガしたり、万が一コロナに感染して味覚障害がでたら料理はできませんよね。そうやって、普段、あたりまえと思っていることは、実はあたりまえではない、『ありえない=有難い』こと」と、デミさんは、料理できる状況への「感謝」と、今つくろうと思っている自分という存在に「えらいね」といたわることが大切だと言います。
今日の料理は一期一会。ここにいる自分と出逢えた食材達を愛でながら、自分自身を満たしましょう。これが料理を、確実に美味しくします。
セブンルール4)食材と出逢い、対話を楽しむ
普段、無意識に冷蔵庫や机にポンポンと置いている食材達。マインドフルクッキングは、「よく来たね」「ありがとう」と食材達とおしゃべりを楽しみます。トマト一つにとっても、育ってきた背景があるし、店に並んでいるものは選ばれしスター達。生産者、運送者、販売者、すべてエネルギーが注がれている一期一会の世界。
「食材達も歓迎&感謝されたら、美味しく食べられてやろうかなって思うと思うんです」とデミさんは、まるでフェスのように食材達とコール&レスポンスして、踊るように料理を楽しんでいます。そうやって野菜や肉に魚、一つ一つ丁寧に触って対話することだけに集中していく行為は、とてもマインドフル! 面倒だった下ごしらえも、愛しい行為に変わるので不思議……。自分×食材の共同作業を楽しめば楽しむほど、美味しくなり、健康と幸せに繋がりますよ。
セブンルール5)食べる人のことを想いつくる
「人のために」と思うことで、人間のパワーは高まります。誰かがいる時は、一緒にいる誰かへ、一人の時は自分へ、おもてなしをする気分で、「思いやり」を込めて料理をつくりましょう。「その意識が、料理をする手を、すごく丁寧にします」と、デミさん。
一番大事なポイントは、食べる人が「幸せになるといいな」「元気になるといいな」「癒されるといいな」とワクワクして、自分からポジティブなエネルギーがわくこと。だって、イライラした怒りの入った料理は、味にも影響が出てきそうですし、できれば食べたくありませんよね。
セブンルール6)お料理をする一瞬一瞬を味わい楽しむ
彩り豊かな食材の色、切る音、手触りや香りなど、五感すべてを味わえる料理は素晴らしい体験です。瞬間、瞬間、自分の呼吸、体の感覚を通して味わいましょう。この行為自体が瞑想であり、マインドフルネスなんです。
「この感覚を鍛えていくと、その日の気温、空気、雰囲気×自分の体調で、今なにを欲しているか分かるようになってきます」と、デミさん。自分の感覚を研磨し、心身の本音を拾い上げながらヘルシーへ整えられるのが、マインドフルクッキング。あなたの生活のリズムが豊かになっていきますよ。
セブンルール7)愛を込めて、今お料理できていることに感謝し、「いただきます」と心で唱える
日本人が昔から大事にしている、「いただきます」。ここまで全部できた自分へ、「素晴らしい」と、感謝と愛を込め、深呼吸をした後、「いただきます」と唱えましょう。料理をつくる間、マインドフルで在れた自分はいかがでしたか? 充実感を味わえたのではないでしょうか。
マインドフルイーティングで一口、一口、丁寧にいただく
食べる時も、一口、一口、瞬間、瞬間、を味わうことで、マインドフルネスに繋がります。
- 1)「丁寧につくったね」「美味しそうにできたね」と自分に賛美を送り、出来上がった料理を愛でながら、ゆっくりと箸を持って、静かに口の中へ運びます。
- 2)少し噛んで、口の中に置いたまま、香り、旨味を感じます。
- 3)よく噛んで味わいましょう(一口、20〜40回くらい)。
- 4)一つ一つに注意をはらい、食べることだけに集中しましょう。
デミさんいわく「マインドフルイーティングをすると、少量でも満たされ、腹八分目でお腹いっぱいになるのです」。はからずもダイエットにもなるなんて、ヘルシー&ビューティにも最適ですよね。また、マインドフルクッキング&イーティング共に、最初はお味噌汁にご飯などシンプルなメニューで、気軽にトライするのがおすすめです。
忙しくて料理をする時間がない時は、惣菜などを買ってきて、マインドフルイーティングだけでも、自分への「思いやりタイム」になります。「自分を満たし大切にすることで、他人を満たし大切にできます」とのこと。自他共に「思いやり」を注げる、マインドフルな優しい時間を、あなたの日々に……。
DEMI/臨床心理士。生活共感プロデューサー。料理研究家。「DeMi = Development of Mind 心を育むなかで心の健康を高める」DEMI心理教育研究所の一つのプログラムとして、心のリストランテ「DEMI CAFÉ」を主宰。心豊かに、食を楽しむ遊び場、それがDEMI CAFÉ。実店舗はかまえず、心身を育む「心の料理教室」をひそかに開催。DEMI心理教育研究所…https://www.demipsychoeducation.com/
*マインドフルクッキングが実践できる「心の料理教室Demi’s Mindful Cooking」YOUTUBE
…https://www.youtube.com/channel/UC9sUNBKFX1tLTB9KFxOPskA/featured
イラスト/和全 撮影/松本裕之 取材・原稿/竹中章恵
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